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老眼鏡の在処

日記
06 /27 2016
結局、老眼鏡はTシャツにくるまれた状態で引き出しの中に隠されていた。

朝、母の着替えを出すのに開けた時にはなかったのに。
母はというと新聞紙のすき間やお菓子の入っている缶の中を何度も見ているが絶対にあるはずないということがわからない。
その内にソファにどっかり座り込み眉間にしわを寄せて天井を仰ぎ見ている。
もうたくさんといった表情だがいったい誰のせいでこうなっていると思っているんだろう。
私には母がわからない。
少なくとも私を育ててくれた母はこんな人ではないと思っていたがこんな人だったのだろうか。
歳をとると政治家の言うことが幼稚に思えたりドラマがつまらなくなったりするのと同じで親のことも客観的に見えるのかも知れないが母は以前と同じように私を子供扱いしているのだからどんどん距離が離れていく気がする。
教育熱心な祖父はお勉強のできた母を格別可愛がっていたと聞いたことがある。
ここにいるのはわがままでプライドが高くて我慢することができないそんな子供のままの母なのだ。

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