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都合のいい人

日記
08 /31 2014
生命保険会社から総代投票用紙なるものが送られてきた。
あて名は母だ。

わが家では郵便物はそれぞれ個人が管理することにしているが、最近の母あての物は私が検閲している。
そうでないと重要なものも母の自室の闇に埋もれてしまうからだ。
私は全くの物知らずなので、これがなんなのかさっぱりわからないが何もしなくても(つまり棄権しても)被害を被る類の物ではないと判断し母に処分を一任した。
これで終わったはずの話だったがまたまた封筒を持ってきた。
私と話した記憶など一片のかけらもない。
認知症は本当に怖い怖い。

よくわからないから自分で処分していいよと言うと母は
「私にわかるはずないじゃない」と半ば怒ったように半ばえらそうに言う。
もともと何でも押し付ける人だが、認知症を都合よく武器にしてその技量を上げている。
「わからない、知らない、できない」の3本の矢に磨きがかかっている。

じゃあ預かっておくねと言ったが、その内なくなったの、どこにやったのと騒ぐことも考えておかねば。
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年金の話

日記
08 /28 2014
日本年金機構を名乗る人から電話がかかってきた。

母は遺族年金をもらっているのだが、以前からその金額が少ないと不満を持っている。
年金機構からハガキが届く度に「1度聞いてみようかしら」と言う。
「1度聞いてみようかしら」は1度も聞いたことがない人が言うセリフで、母は何度も電話をかけているのだがどうも記憶に残っていないようで、前にも聞いたよ~と言っても聞く耳を持たない。

そしてまた「1度聞いてみようかしら」と電話をかけたようだ。
母は「はい…はい…はい…」と小さな声で答えている。
その内「何言ってんだかわからない」と切ってしまった。

母は父が話していた遺族年金の金額と違うと言い張っているのだが、そもそも父が死んだあとの遺族年金がいくらもらえるかなんぞ知るはずはない。
おまけにいくらくらいと言っていたのかも覚えていないと言う。
何の根拠もないまま年金機構のお役人さんにぶつけてしまうのだから申し訳ないと思うのだが、年金機構も問い合わせはお気軽にと書いているのだから仕方ないのかな。

結局、母の不満はつのる一方でますます怪訝な顔つきになってしまった。
年金機構に問い合わせたところ、個別に条件が違うので一概には言えないが、遺族年金は元の年金の4~6割になるそうだ。
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水の音がする

日記
08 /28 2014
朝、母は起きてくるといつものように「雨が降っているんでしょ?」と言うので、降っているよと返事すると「へっそうなの?」と意外そうな顔をした。
もしかしていつも降ってないと知っているのにわざと言ってたのか?
あのばあさんならあることだわと思った。

このところ、「雨の音がいつもする」と言うのでよく聞いてみると「左耳からいつも水が流れる音がする」と言うのだ。
さらによく聞くと左耳の聞こえがとても悪いらしい。
最近呼びかけて反応が鈍かったがそれが原因だったのかも。

ググってみたら、突発性の難聴か中耳炎か、どちらにしても早期の治療を要するらしい。
いつから始まったのかわからないが1週間どころじゃないしやばいじゃん。
母に言うと「めんどくさいから聞こえなくていい」
「どうせそう長くないからもういい」と言う。

今日の昼食だって、少なめのうどんと少なめのカツどんをすっかり食べちゃった母に、すぐにお迎えが来るとは思えない。
動きたくないからそう言っているのだろうけどそうはいかないのだよ、娘としては。
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1匹いたら

日記
08 /26 2014
先日、黒いやつが居間の横断してからなんとな~く嫌な日々が続いている。

流し台の下にホイホイを2個仕掛けたが、居間の中央に堂々と出てくるところを見ると、もしかしたら人間様が寝静まった後に家のあちこちに出没しているのではないかと疑念がわいて仕方ない。
母が呪文のように「1匹いたら50匹、1匹いたら50匹」と繰り返すので何としてでも征伐しなければと思っていた。

朝、洗面所にいたらなんだか嫌な予感がする。
洗面所と廊下の間にある扉の蝶番の下あたりに何かいる。
2本の触角が見えたので慌てて殺虫剤を取りに行った。
シュ~っとお見舞いしてやったが動かない。
れれれ?
そ~っと扉を開けたら、すでに押しつぶされてぺっちゃんこの黒いやつがいたのだ。

つまり、奴はこの扉の影にひそんでいたところ、運悪く誰かに扉を閉められてしまいご臨終となったということだ。
何とも劇的な最後である。
母はその亡骸を憎々しげにつまんでちぎるように捨てていた。
あと49匹、本当にそんなにいるのだろうか。いるかもしれない。
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半日ずれる

日記
08 /23 2014
今日は土曜日なので少しゆっくりしたいところだが、燃やすごみの日なのでそうぼちぼちしていられない。

しばらくして妹が起きてきたが母の姿はない。
先に洗濯してしまえ~と取り掛かる。
最近母は洗濯ができなくなった。
と言うのも、朝起きてくるのがとても遅くなっていて、いったん起きてまた寝てしまうことも多い。
表情もボーっとしていて生きているのか死んでいるのかわからないくらい覇気がない。
それで、私が洗濯をしてしまうことが多くなっている。

結局、母はお昼頃まで寝ていて、お昼ご飯食べる?と聞くともそもそと起きてくる。
お寿司、てんぷらそば、そうめんといった好物を出すとやっとこさ1人前を平らげる。
それからまた寝ることもあるが、TVを見たり新聞を読んだりして日中を過ごす。

夕食もほぼ1人前食べるし、夜になると表情も活気が出てくる。
と、気づいた。

母の1日が半日ずれている。
昼食で目が覚めて、そこから1日が始まっているのだ。
夜は0時過ぎても寝つけない(TVが映らなくなったのもその頃)ようだし夜中もちょいちょい起きて階段を下りていく音がする。

な~るほど!!
起きてこないのを心配していたが、それなら説得力もある。
納得納得。これから朝起きて来なくても心配するのはやめます。ふ~っ
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TVがね

日記
08 /23 2014
昨夜、母が急に私を呼びに来た。
寝室のTVが映らないと言うのだ。
わが家のTVはケーブル局を経由しているのでちょっとややこしいのだが、母の寝室のTVは地デジのみでBSとCSは映らない。
それなのにリモコンのBSボタンを押してしまうので映らなくなる。
説明しても無駄なので(私の体力ががっつり奪われる)地デジ以外のボタンは触らないでねとだけ言うことにしている。
以前、触らないでねシールを貼ったら、馬鹿にしているとすごい剣幕で怒ってしまった。
それでも何回も同じことをして壊れたと騒いでいる。

そして今夜はTVの音がしないと言い出した。
見に行くと、TVにイヤホンがさしてある
それを言っても母は納得できないような顔をしている。
耳にイヤホンをつけても「ほら、聞こえないじゃない」と半ば勝ち誇ったように言うので、少し音量を上げると聞こえるようになったらしい。
あんまり大きな音を聞いていると耳に悪いよと言いながら退散しようとしたら「ほら、やっぱり聞こえないじゃない」と母が言う。
ふと見るとさっきまで入っていた電源が入っていない。
いろいろ触っているうちにOFFにしてしまったんだろう。
母は「何もしてないのにTVが消えるの」と言い出した。
どうやらおかしのはTVの方で、自分のせいではないことにしたいのだ。
もう私も寝たいのだよ。これからあれこれ説明したくないのだよ。

いやいやこれはかなわんわ。
これから何度同じ目に合うことやら…。介護は忍耐ですよ。忍耐。
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身を守る

日記
08 /19 2014
父のいとこの95歳のおばさんから突然書簡が来た。

おばさんには老人ホームの身元引受人を頼まれているのだがお断りしている最中だ。
もともと父が引き受け人だったから次は母に頼むつもりだったらしいが認知症で引き受けられないとお断りしたら、お鉢が私に回ってきた。
おばさんには身寄りがないので助けてあげたいところだが、高級老人ホームの引受人には資産を持っているかなど結構厳しいチェックがある。
ちょっと無理ですと言ったら黙っていればいいとおばさんは言うのだがそうはいかないでしょ。

あ~これは、電話ではらちが明かないから直訴状を送ってきたなと思い恐る恐る封を切った。
すると、暑い毎日が~から始まる文章は、月に2度は習字を習い月に2度はコーラスで、他にも運動やらなんやらで結構忙しいと老人ホームでの楽しい毎日が綴られていた。
本当に恐るべし、人生を謳歌する立派な95歳なのだ。

母にそう言うとこのおばさんは特別なんだとか、そんなにうまくはいかないのだとか皮肉のようなことばかり言う。
自分も通所施設に行かされたら困ると思っているのだ。
母は自分の身を守ることで必死なのだ。
そんな母を見ていると残念でならないし、人生損しているような気がしてくる。
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思い込み

日記
08 /18 2014
お盆休みの最終日だがこれといって用事もなく、朝から洗濯を終えると特にすることもなくなった。
母は自室で何もせずぼーっと遠くを見ていることが多くなっている。
1年前は週2回通所に行っていたしそんなこともなかった。

私が買い物に出かけている間に母はカバンの中の大事な書類を引っ張り出していたらしい。
その中には私の相方だった人が20年前に書いた借用書もある。
仕事上のトラブルが原因で借りたもので、ずいぶん高額だったが実は返していない。
そのことでこれまでも母とは何度も険悪になっていたのだがまたまた思い出したようだ。
こういう時の母は攻撃的な言い方でののしり始める。
私の相方だった人のこと、私のこと、そして子供のこと。

「今日初めて知ったんだけど、毎日のようにお金を貸していたのよ」
なんでもメモ書きが出てきたと言うのだ。
「毎日のように100万200万と貸しているのよ」
「全部で数千万になるのよ」と母がすごい勢いで言い出した。
いくらなんでもそれはないが、私は知らなかったことだからメモを見せてほしいと言うと
「知らないなんて言わせない。」とメモを探すがどこにもない。
「さっきあったのに」と私がどこかにやったとでもいう様子だ。

何がきっかけで思い込みが始まるのかわからないが、言い始めるとそれはもうどうにも収まらない。
最後に「どうせもうすぐ死ぬからあんたの勝ちだね」とまで言う始末。
今日の気分は最低最悪、でも明日はきっと別人なんです。
あ~逃げられるものなら逃げたいと、さじを投げる娘です。
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ホイホイ

日記
08 /16 2014
夜8時過ぎのこと、居間の中央をスーッと黒いのが動いて行った。
母が新聞紙を手によろよろと追って行くがまったく追いつけない。
私も殺虫剤と抱えて向かったが間に合わず奴はTV台の下に逃げ込んでしまった。

その後も母とTV台を動かしたりして散々探したが見つからず、しばらく見張っていたらまたちょろっと出てきて隠れてしまった。
最悪だぁ。絶対にいるのに捕まえられない。

戸棚の奥にゴキブリホイホイがあるのを思い出した。
2つ組み立ててTV台のまわりに置いておくことにした。
朝、恐る恐るのぞいてみるといるいるいる!!見事に1匹捕獲している。
すごいなぁ。ゴキブリホイホイ。見直したわ。

しばらくして母が起きてきたがまた何かを見つけたらしい。
「部屋に男がいる」と言うので一緒に見に行くが特に変わりは見当たらない。
「ヘンだね。蛍光灯の傘の上からこっちを見ていたのよ。」と母が言う。
いやいや、傘の上に乗る男はちょっといないんじゃないの。
それでも母は「目が合った」と言い張っている。
冷静に考えればありえないことだけどそれが理解できない。
幻覚だろうけど母にそれを言ってもしょうがない。
はいはい。じゃあゴキブリホイホイでも仕掛けてみましょうかね。
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無理です

日記
08 /15 2014
他の方の介護ブログをちょいちょいのぞかせて頂きますが、たとえば自宅で介護しているお母さんの様子を克明に残している方がいらして本当にすごいなと思います。
すごいなとは思うのだけどじゃあできるかというと、とても無理です。

通所施設で働いているときにいろいろな家族を見てきましたが、それはそれは別の意味ですごい家族もいました。
子供が全く面倒を看ない、同居しているのに食事も入浴もさせない、通所の支払いもしないなんてことありましたから。
家族なんて本当にピンきりだなと思います。

母の認知がもっともっと進んだとしてどこまで面倒を見られるかと考えると、うちにはもう1人障害のある大物がいるので自宅では難しいと思います。
でも、今の段階から施設を申し込もうとは思っていないので、母が家族のことが分からなくなる日が来たらそこで決心するつもりです。
当然、入所までは時間がかかるのでしょうが、それでも母が望まない入所はできないと思うのです。

母は多分最後まで自宅で私に介護してもらうつもりでしょう。
でもそれも無理な話なのです。
母に話したところで納得しないだろうし、残念な気持ちにもなってほしくないので内緒の話です。
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uncha

認知症の母を見守りながら生きています