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書留郵便

日記
06 /30 2014
朝、母が「昨日、銀行から郵便が届いてたよ。」と言う。
昨日は半日でかけていたが、日曜日だから郵便の配達はない。
なんのこっちゃと思い聞いてみると、銀行の封書を書留で受け取ったと言う。

半信半疑だったが、そこに置いてあるよと言うところにはない。
あちこち探していたら
「そうだ。カバンに入れたんだ。」と母が封筒を一通取り出した。
よかったね~。思い出せて~。よかったよ~。私もほっとしたよ~。
何しろ書留だもん。見つからなかったら大変だよ~。
疑ってごめんね~。と心で詫びた。
中身は私のクレカ・キャッシュカードだった。

銀行のカードと聞いて母の眼が光った。
「それは必要なの?」…生きていくのに必要ですよ。
「お金がおろせるの?」…はいはい、おろせますよ。
「無くしたり盗まれたら大変だからやめたほうがいいんじゃないの?」
ん~。世の中の人はみ~んな持っていると思うんですけどね。
それにいちいち窓口に行くのはめんどうですよね。

な~にをぐちぐち言っているのかだんだんわかってきた。
母の口座のお金を引き出されるのではと心配しているのだ。
せっかく一生懸命考えているみたいだけど、残念ながら私のカードだからどう心配しても母のお金は引き出せない。

そろそろ言ってあげるとするか。
このカードはわ・た・し・の口座のカードだよ。
「あ、そう。ならいいわ。」と母はすたすたと退散した。
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神の声

日記
06 /27 2014
浴室の掃除をしていたら窓の外枠に隣の裏庭の木のつるがぐるぐる巻きついているのに気がついた。
本来なら一言声をかけて取り払うべきなのかもしれないが、玄関側から見ると隣の隣という複雑な立地のためまったく付き合いがない。
さらに、その庭にはお風呂のいすやバケツ、プラスチックのケースなどが投げ込まれるようにおいてある。
木も生い茂っていて地面も見えずごみ置き場のようになっている。
そんな状況だからますます言い出すのも難しい。
そうなってしまったのはここ1年ほどのことだ。

そんな話をしたら母が「いろいろあったんだよ、あのうちは」
「離婚したんだよ。子供もすっかり変わっちゃったね」と言った。
誰に聞いたの?そんなことなんで知ってるの?と聞いてみると
「そんなの見ればわかるじゃない、間違いないよ」と言う。
はて、母はしばらく一人で出かけたことはなくその家の人とどこで会ったのか見当がつかない。
そうなのかもしれないと思ったのを事実と思い込んでいるのか、はたまた神の声が聞こえたのか。
真偽のほどはわからないが母はそう信じ込んでいる。

「すっかり変わっちゃったね」は最近の母の決まり文句だ。
たまに一緒に出かけて声をかけられても誰だかわからず
「すっかりお変わりになってわかりませんでしたわ」なんて答えるので不思議な顔をされたりする。
本当に変わって見えるのか?
記憶にないからそう思うのか?
母の頭の中は相当ややこしいことになっているようだ。
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驚愕の人

日記
06 /27 2014
遠縁のおばさんから電話がかかってきた。
御年95歳、父より10歳年上の父のいとこだ。

70歳頃まで銀座で美容関係の仕事をしていたが、バブル絶頂期に自宅と土地を売却し、ン億円の持参金とともに高級老人ホームに入所した。
ちょっと複雑な生い立ちで異母兄弟はいるが付き合いがなく本人も生涯独身、現在は身寄りがない。
それで頼れるのはいとこの父だけしかいないと父が身元引受人を引き受けていた。
父が亡くなったので引受人を変更してほしいと連絡してきたのだ。
父の兄弟はすでに他界している。
しかし、この高級老人ホームは引受人に経済的な条件を付けていて、資産があるかなど調べられることになっている。

おばさんは当然、父の後は母が引き受けると思ったらしく話していたが母のとんちんかんな様子に驚いてあわてて私に連絡してきたのだ。
おばさんに母の状況を話したら今度は私に頼みたいと言い出した。
頼める人がいないからと懇願されたが、条件に見合わないし難しいと断った。
他に頼める人が誰もいないわけではないらしいがおばさんとしては頼みやすい私を選んだようだ。

すごいのは、95歳でありながら対等にディスカッションできるし、同じことを言うときは「さっきも言ったけど…」と前置きするからちゃんとわかっているし時々40も年上の人だということを忘れてしまう。
若いころから自立した凛とした姿の人だったが現在も健在。
できるならこんな年寄りになりたいと思ってしまった。

30分ほど話し合ってお互いにうまくいく方法を考えましょうということになった。
それにしても95歳にして自分の意見を理路整然と伝えられる気丈さ。
大正生まれは恐ろしい。

ふと、昭和生まれ80歳の母を見ると朝食を終えてすでに軽眠状態。
今日はお休みの日になるようだ。
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究極の選択

日記
06 /26 2014
国民健康保険料額決定通知書なるものが来た。
私は収入がないので減免してもらっているので大した金額ではないが、何度も言うが収入がないので大した金額ではないことはない。

すると母が「あんたお金ないんやろ」と突然見下したように言ってきた。
はいはい、ございませんのよ。無職ですから。

これまで私が働けないのは母の介護が理由だからと母の収入から払っていいことになっていた。
ところが今日はなんだか底意地悪そうな顔をしている。
もしかして私の分は負担したくないってことかなと聞いてみた。
母は「そうやな…でも、あんたお金ないんやろ。」とまたまたいやな言い方をした。
最近、お金に対するこだわりはさらに過敏になっている。
私に盗まれていると思っているような発言も度々ある。

よしっ!チャンスだ!!
私もお母さんに払ってもらうのは悪いから働きに行くよ。
でもね、一人にするわけにはいかないから、その日はデイサービスに行ってね~と言ってみた。
母が家から出て行くのにも、私が働くのにもこんなに都合のいい話はない。

私の突然の提案に母の頭はぐるぐる回っている。
母が保険料を支払わない→私が仕事に出る→母は週何日かデイに行く→家にいられなくなる→でもお金は減らない→…

母は「少し考えさせて」と言った。
しばらくして「いくら払えばいの?」「お金はあるの?」と聞いてきた。
さっきの勢いも意地悪そうな顔もなかった。

母はお金より家を出ないことを選んだのだ。
戦いはこれからも続く。
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人のせい

日記
06 /23 2014
ほんの数日前のこと、母と二人昼食にそうめんを食べることにした。
椅子に座ったとたん、母はバシャ~ンとつゆを自分に向けてひっくり返してしまい、白っぽい綿のズボンがずぶぬれになってしまった。
「なんてことをしてくれるのよ、台無しじゃないの。」と母が言った。
「もう食べる気なくなったわ。」と怒りながら言っている。
誰に言ってるんだ?まさか私か??いやいやどうも違う。
母はつゆに文句を言っているのか?
他に誰もいない。母はぶつぶつ言い続けた。

母はとにかく謝らないしなんでも人のせいにする。
それは今に始まったことではない。
かれこれ20年近くなるが、まだ子供が小さかったころ、レストランで母がお子様ランチにまともに水をひっくり返したことがあった。
その時も「水がかかったくらい大丈夫、食べられる」と言って唖然としたがそんなことはいくらでもある。

林修先生の番組で脳科学の特集があった。
その中の認知症の説明の時にチェック項目があった。
●アルツハイマー病の日常生活のチェック法
①仕事場などから帰宅するまでに時間がかかるようになった
②財布に小銭が増えた
③同じ質問を何度もする
④恋人、もしくは好きな人の不貞を疑うことがよくある
⑤何かにつけて人のセイにすることが多くなった
以上のうち2つ以上あてはまったら認知症の疑いがあるそうだ。

はは~ん、なるほどね。
人のせいにするのが認知症の特徴とは知らなんだ。
母は素因の一つを生まれ持っていたのかもしれない。
しかも遺伝性が高いことも考えられるらしい。
明日は我が身か?これはこれは気をつけねば。
くわばらくわばら…
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センス

日記
06 /21 2014
今日は土曜日で妹もお休みなのだが、前々から母に頼まれていた皮膚科を受診することになっている。
10時の予約で母に支度を頼んだら、9時にはすでに支度を済ませた妹が居間でちょこんと…いやいや3Lサイズなのでどっかりと座っていた。

で、これで出かけるんざんしょか?
うえが~くろの~おおきめの~ちぇっくのしゃつで~
したは~こばなもようの~こんけいのずぼんって
おかしいよねっ
センスがないにも程がある。

でも一つ間違うと「いちいちうるさいんだよ!!」と怒りをあらわにするので、ごめんね~悪いんだけどさ~と枕詞とつけてからこの上下はないんじゃないかなと申し訳なさそうに言ってみた。
「そぉ?」と納得はしていなかったみたいだったが着替えてもらった。

妹の支度は母の役割にしているがどうもこの頃難しくなっている。
今日もMサイズのエアリズムを着せていたのでパックしたみたいにピッチピチになっていた。
サイズだけではない。色や柄合わせも超サイケだったりする。
まさに奇想天外摩訶不思議。
せめて柄物と柄物はやめてほしいところだが、おかしいと言っても
「いいじゃない。着られているんだから」と文句つけるなという調子だ。
もちろん母もスケスケのレースを着て出かけようとしたり…
なんでもその昔とても高かった大事なお召し物だそうで。
これじゃなくてもいいじゃないっていうのをわざわざ選んでいる気がする

どうしたものか。そういうものなのか。

病院から帰ってきたら、母は妹を普段着に着替えさせた。
母の選択はこれだった。

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赤ランプ

日記
06 /19 2014
今日の母は朝からボーっとしていて半日寝て過ごした。
どこかの長寿のおばあさんが2日寝て2日起きて…のサイクルで暮らしているのを見たことがあるが、母も1週間のうち3日間くらいが半日寝るパターンになっている。
だいたい前夜にあまり寝ていない様子があり、軽い昼夜逆転の傾向になっている。

今日の原因はエアコンの赤ランプだ。
昨日の夕方、母の部屋のエアコンの赤ランプがついた。
フィルターのお掃除サインなのだが何時間か毎に点灯する。
フィルターを掃除するかどこかのボタンを押せば消えるのだがすぐに思い出せなかった。

母が「エアコンが消せなくなった」と言い出した。
私がフィルターのお掃除サインだからついてても大丈夫と説明するが
1度で納得できるわけがない。
2度、3度…と何度も何度も「赤いランプが消えない」と聞いてきた。
その都度、お掃除サインだからとていねいに説明して差し上げた。
だが、記憶がだんだんねじれてきて、「赤いランプがついているからエアコンが使えない」になり、昨夜は何度も見に行ったようだった。
それが原因でどうやらあまり寝ていないらしい。

そして今朝から「赤いランプがついているから爆発するかもしれない」と話は大きく進化してしまった。
おいおい…。そこまで頭がフル回転していたら寝られないよね。
午後になってフィルターを外して掃除したのでランプは消えた。
母はすっかり寝入ってしまって夕食時にやっと起きた。
夕飯はぜ~んぶ食べたし、ぐずぐず言いながらおふろにも入った。

さぁて寝るか~と母の様子を見に行ったら、今日1日の中でいっちば~んすっきりした顔をしている。
あ~、きっと今夜も寝られないぞ~。
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倍返し

日記
06 /18 2014
今日は朝から天気が悪く絶対に雨が降ると言っているのに、母は大量の洗濯をしてしまった。
干す段階になって「ねぇどこに干すの?」と聞くので
知らんがなぁ。私なら洗濯しないよと言ったらちょっとしょげたので仕方なく干してやることにした。

最近の口癖は「ねぇ、汗がだらだら出るでしょ。出ない?」と朝から何回も繰り返すようになった。
あ~夏バージョンだろうか。
しかもちゃんと答えないと延々繰り返す。
全然分からなくなっていたらそーだねーと合わせて答えたらいいのだろうけど、まだしっかりしているところもあるのでそうはいかない。

しかしどうしたことか高齢者は外気温に鈍感だというが、母は異常に敏感でちょっと暑いと冷房を20度くらいにし、ちょっと寒いと暖房を25度くらいにする。
すごいときは午前中暖房で午後には冷房がついていたりする。
リモコンの使い方も危ういのに絶対に聞こうとしないので、ちょいちょいのぞかないと気づいたら凍死しているかもしれない。
介護は忍耐力だ。
私は昭和人だし、根性根性の時代にうさぎ跳びをしているので大概のことに耐える自信がある。
しかし、言動の繰り返しや予想外の行動に振り回され精神を脅かされている。

そこでひらめいた!!
母が「汗がだらだら出るでしょ」と言ったが私はアトピーで体がかゆいことを思い出し、汗は出ないけど体がかゆい。ねぇ、かゆいでしょとくどくどと言ってみた。
すると母は「かゆくないわよ!」と言い切って行ってしまった。
これから聞かれたら聞き返す作戦で行くことにする。
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帰還

日記
06 /15 2014
子供が帰ってきた…と言うか返された。
体力なしのもやしっ子が本人の選んだ仕事とはいえ現場で働くことになりついていけずいったん帰宅となった。
しかしもう続ける意思がないと上司に言い退社を決めてきたのだ。
真っ黒に日焼けして顔中吹き出物だらけでヨレヨレのスーツで帰宅した姿はあまりにも情けなかった。

朝は7時から夜は9時まで、休憩は昼食時だけという話を聞くと、
母は「よぉがんばったなぁ」と言った。
今回の帰宅についてわかっているのかどうか怪しかったが、一生懸命話を聞いてくれようとしていた。
子供を完全に拒否し「一緒に住めない」「出て行ってほしい」と文句を言っていたことを思うと考えられない言葉だった。

そんな感情も忘れてしまったのか?
それとも思いが変わったのか?
確かに子供が出て行ってから母は「どこにいるの?」「どんな仕事をしているの?」と毎日のように聞いていた。
内心出て行けって言ったのはあなたでしょうがと言わないけどずっと思ってたし。
真実は分からないが、また同居が始まると思うと思い出すのかどうなることかと課題も多い。

次の仕事が見つかるまで子供は家にいるだろうし、母も通所が決まらなければ家にいるだろうし、私もどうにもならないから家にいるだろうし。
なんだか気が重くなってしまった。
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大家様

日記
06 /14 2014
昨夜は母との口論で気分が悪く(←執拗に根に持つタイプ)早めに子供がお借りしている部屋(←居候なので)で一人TVを見ていたら無償でお部屋をお貸しくださっている大家様(←当然母)が現れて
「この部屋のカーテンが黄色だったなんて初めて知ったわ」といつもの初めて物語を語りだした。
新築の時からだからもう8年は黄色なんだけどと説明するのも面倒で
私が、あ、そうと軽くあしらっても動く気配がない。
そして「いろいろと考えていることがあるんだけど」とぼそっと言い
「できないことは言わない」と続けた。
言わなきゃわからないと聞いたが
「できないことは言わないんだよ」と言い残して去った。

改めて考えるが、母は認知症である。
今今の発言もすっかり忘れる著しい記憶障害がある。
以前からお金に対して執着心が強かったがさらに増し、異常性を帯びてきている。

そんな母が考えていることだから多分そんなことだろうと察しはつく。
わたしと一緒に住むのがどうとか、子供の就職がどうとかお金の話を絡ませて考えているのだろう。
思考能力はかなり落ちていて説明しても理解できないことが多いが、分かっていることはしっかり意思表示できるししかも覚えていたりする。
たけど埋まらない溝は埋まらないと追及しないことにした。
さらに喧嘩になるのも嫌だしね。

朝になって母が「子供が帰ってくるのならアイスクリームを買っといてやって」と言ってきた。
昨日の話、なんだったんだろうなとふと思った。
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uncha

認知症の母を見守りながら生きています