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洗濯

日記
04 /19 2014
「今日は雨なんでしょ」と毎度の朝の挨拶の声がした。
「さぁ、天気予報は晴れマークだったけど」と嫌そうに答えてみる。
「これから降るんだよね」
もう何も言わない。わざと知らん顔をする。
窓のカーテン越しに燦々と太陽の日差しがのぞいている。
私のこの態度に気づいてないはずはないが、原因が自分の繰り返しだとは分かっていないようだ。

そして洗濯が始まる。
毎日のように洗濯しているのに毎回洗濯機は2回3回と回っている。
洗濯物は母と妹の2人分なのに毎度大変な量になる。
結局、着たものと着ていないものの区別がつかず手当たり次第洗濯してしまっているようだ。
しかしあえて何も言わない。
自分で洗濯することを続けてほしいからだ。
背中が丸くなって物干しが大変になった。
それでもがんばって干そうとしている。
だから、ちょっとだけ手伝ってやることにしている。

負のオーラ

日記
04 /18 2014
毎朝必ず今日は雨なんでしょと聞く。
うちには〇〇はないよね。
眠たい、壊れた、無くなった、できない、盗られる…
毎日負の言動ばかりが目立つようになっている。
被害妄想を伺わせる言動も多い。
聞く方は生きるpowerが奪われるし当然気分も悪い。

「認知症」は人格も変わるが人相も変わる。
いつも疑っているような目つきをする。
でもそれは抱える不安からきているのかもしれないと思うことがある。
母は自分の親も義理の親も介護をしたことがない。
人が老いていく姿を身近に見たことがなく自分の先の姿が見えない。
「こんなことになるとは思わなかった。」といつも悲観する。
「みんな同じだよ」と言ってみるが母は世の中で自分が一番不幸だと
思っているように見えて仕方がない。

衣替え

日記
04 /17 2014
「着る服がない」
母が突然言い出し衣服の入れ替えをしたいと言う。
昨日まで寒いと言ってエアコンをつけていたのにいつも唐突で
言い出したら聞かない。
まだ4月に入ったばかりだが夏物を出すことにした。
物が捨てられないので押入れケース4箱分の夏物がある。
私から見ればその内半分以上は何年も着ていない不要なものだ。
とりあえず1箱片づけることにした。
しかし手順が決められない。

私はあえて手を貸さないことにした。
時間は十分にあるのだからゆっくり考えればいいと思った。
ほぼ1日かかったが、引出の冬物が夏物と入れ替わった。
「すごく疲れた」と言っていたが満足そうな顔つきだった。

誤認

日記
04 /16 2014
だんだん物の使い方がわからなくなってきている。
TVとエアコンのリモコンの区別がつかない。
洗濯機や電子レンジは使い方を張り出した。

通所をやめてしまったので、私が出かける時は留守番をすることに
なるが、必ず携帯電話の掛け方を聞く。
「かけたことがないから」と毎回聞くが、たぶん100回は教えている。
携帯の裏側にマジックで使い方も書いてある。
母が1人で家にいるのはお互いに不安だがどうにもならない。

買い物から帰ってくると玄関先で母が見知らぬ人と話している。
野菜の訪問販売だと言っていたが押し売りの匂いがした。
「1人の時は誰か来ても出ないで」と念を押しわかったと言う。

成年後見制度が現実性を帯びてきた。

知らない

日記
04 /15 2014
9時半、妹の送り出しが終わると母の長い一日が始まる。
最近は考えること自体が面倒なのか何か問いかけしても知らない、
わからないと答えることが多い。

以前毎日のように出かけていた街の話をしてもまず知らないと言う。
「そんなことないでしょ」と言いながら説明するとやっとやっと
思い出すのか次第に話に乗ってくる。
時間がかかり根気も要る。
毎日なんてやってられない。
それでも母が気になる話は毎日繰り返し繰り返し聞いてくる。

ふと見ると自室で小さな電卓をぼーっと見ていた。
「これなに?」「電卓だよ、計算に使うやつ」
母は「知らない、初めて見た」と答えた。

思いのまま

日記
04 /14 2014
母が家に引きこもるようになって1か月が過ぎた。
朝から口を開けば「眠たい」と言う。
医者から夜の睡眠状態が悪いのではないかと薬が処方された。
それでも毎日のように私を見ると「眠たい」と訴える。

医者は目的のない生活をしているからとか昼寝は1時間程度なら
よいとかいろいろ指南してくれたが、現実として母にその自覚を
促すのは無理があった。
次第に私の気持ちも変わってきて母の思うようにするのが一番
いいのではないかと考えるようになった。

相変わらず物忘れと同じ話の繰り返しと幻覚、幻聴も始まっている。
お金と便秘に不安を抱え、自分が壊れていくのもわかっている。
今できることは何だろう。1つは受け止めること。
同時に大きなストレスを抱えることだ。

自分の娘

日記
04 /13 2014
妹の通所施設は平日のみなので休日は家にいる。
妹には知的障害があるが簡単なことには答えられる。
母は妹に「今日は何日?」「何曜日?」「今日はお休み?」と
1日中同じことを繰り返し聞いている。

ある日、母が妹に「あのおばさんに頼めばいいよ」と私を見て言った。
「おばさんの名前なんだっけ?」「おばさんじゃなくてお姉ちゃんだよ」
母は「えっ?」と驚いたような顔をしている。

しばらくして私に言った。
「あんた私の娘だったの?それは失礼なことしたわ。」
「私の姉だと思ってた。」「さっきまでわかっていたのに」

やっとわかった。
これまでも時々よそよそしさや疑われる感じがしていたが
その原因が私が誰なのかわからなくなっている時があるからだと。

引きこもる

日記
04 /12 2014
通所をやめてから母は引きこもりになった。
初めの内は何か興味のあることを探そうと買い物に誘ったりしたが
本人は何もしたくないと言う。
ケアマネに新しいデイケアを探してもらっているがなかなか空きが
ないらしい。

考えることがないからか毎日お金の話をする。
預金の残高を確認したいから通帳を全部見せてくれと言う。
全部並べてパラパラめくっているが後で聞くとよくわからないと言う。
これが毎日続くようになった。
もう1つの不安は便秘。
さっきあった排便も忘れ「1か月便秘している」と下剤を飲む。
放っておくと1日に何回でも下剤を飲んでしまう。
頭の中はこの2つ。

私はできるだけ不安は取り除こうと話を聞いたり説明したりするが
すぐに忘れていまい毎日毎日同じことが繰り返された。

やめる

日記
04 /11 2014
デイケアに通い始めてからちょうど1年になる頃
突然、ケアマネから利用中止の連絡がきた。
理由はデイケアからで、ある一定の成果が達成できたからだと言う。

塗り絵やゲームが幼稚だと少し不満もあったが気に入っていたのに
やめさせられると思いこみ少しショックだったようだ。
ケアマネがすぐに次のデイサービスを探してくれたが続かず
2回でやめてしまった。

買い物に誘っても足が腰が痛いと言って出かけようとしない。
外出は2か月に1度の受診だけになってしまった。

相変わらず洗濯はするがそれが終われば自室にこもる。
テレビを見ているのかと思うと放送大学の難しい講義だったりする。
もちろんわかってなどいない。
TVのリモコンの使い方がわからなくなっている。
1日中寝ていたい、が口癖になっていた。

葛藤

日記
04 /10 2014
妹のお迎えは毎日9時半頃と決まっている。
それでも母は毎日問う。
「お迎えは何時?」「9時半頃」
5分も経たない内にまた聞く。
「お迎えは何時?」「9時半頃」

よく見えるところに張り出してあるがそれでも忘れる。
何度か繰り返すうちに、ついにスイッチが入ってしまった。
「何回おんなじことを聞くのよ。いい加減にして」
母は「認知症」なんだから聞くのは当たり前だと言い
挙句の果て「一緒に住めない。出て行って!!」と叫んだ。

どうやって暮らすつもりなんだと言いかけたが何とか我慢した。
すべてを私が受け止めなければならないのかと葛藤があった。
どこにも自由のない生活が続くのかと絶望を感じていた。

uncha

認知症の母を見守りながら生きています